親切のつもりが自然破壊に


(左の濃い緑が彼岸花のは 真ん中の薄い青緑の葉がアマナ)


ここは県内有数のアマナの群生地です。
本当はみなさんに公開したいのですが、悩んでいます。
公開したら、巾着田に負けない観光地になるはずです。
でも いろいろな心配や問題があって公開できずにいます。

もうひとつの悩みは 毎年ヒガンバナが増えていることです。
おまけに白いヒガンバナスイセンまで植え増やしている人たちがいます。
きっと親切心でしょう。
でもたいへん困るのです。
ヒガンバナスイセン帰化植物です。自宅に植えるなら何も申しません。
河川敷や堤防は日本では少ない野生生物の生息地です。
多様な植物が多くの種類の虫たちを育てています。虫たちは鳥や蛙などのえさになります。土の中でもこのような食物連鎖によって多くの生き物が育っています。
そこに、人間の一時の満足のために園芸種や帰化植物を植えると、日本本来の生き物は生きるための仕組みを壊されてしまうのです。

数日前にアマナの成長の確認に行きました。
植えたばかりのヒガンバナがたくさんありました。
通りがかった人が幾日か前に5人ぐらいで植えていたということです。

増え続けるヒガンバナは、せっかく増えたアマナの日照を奪ってしまいます。
ヒガンバナは冬から春にかけて葉を茂らせます。
アマナは3月から5月に葉を伸ばし開花して結実します。日照を必要とするアマナはヒガンバナの影で衰えます。

野生の生き物の生息の場まで奪わないでほしいのです。
どこにもポピーやコスモスや柴桜やヒガンバナなどの園芸植物や帰化植物を植えるのはやめてほしいのです。
それらは自宅や花壇だけにしてほしいのです。
地味な花や虫でも自然のまま楽しむ日本人の心を思い出してほしいのです。